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マーケターになるまでに読んだ本

最近、「今までに読んだ本で参考になる物はありますか?」と聞かれる事があります。

マーケターにどんな分野のスキルが必要で、どんな本がスキル獲得の足しになるのか。若い世代やこれから事業を学ぼうという方の少しは参考になるかもしれないと思い、昔ブログで紹介した内容を修正してシェアさせて頂きます。

かれこれ15年くらいマーケティングの実務を実践する中で、今も僕の中で殿堂入りしている書籍リストになります。

 

1.ブランディング・ポジショニング

マーケターの仕事は見込み顧客の心に知覚情報を創り出し、商品やサービスを手に取ってもらう事。手塩にかけて磨き上げた商品やサービスをお客様に提供し、自社ブランドのファンになってもらう事。

アル・ライズ著の「ブランディング22の法則」ジャック・トラウト著の「ニューポジショニングの法則」は、入門本としても、経験者の棚卸しの為にも役に立つ本です。

マーケティングの本はとかくアメリカの事例が多く、我々日本人には今ひとつ肌感覚を得難いのが難点。いつか日本のマーケティング界の教授陣が「日本版22の法則」を出版して欲しいです 笑。

 

2.マーケティングマネジメント

マイケル・ポーター著の「競争優位の戦略」、フィリップ・コトラー著の「マーケティング原理」は、マーケターを自称するのであれば必ず読むべきバイブルです。

この2つの本の内容を理解し肌感覚を持てるようになると、仕事の質が飛躍的に向上します。やはりback to basic。本当の真理はとてもシンプルです。

ただし、読んでいる間に相当眠くなるので、時間をかけて、牛が牧草を反すうして飲み込むように、ゆっくりと読み進めるのをお勧めします。僕は実務を経験し始めた数年間で合計3回ぐらい読んで、やっと書かれている内容が理解できるようになりました。

 

3.制約理論(TOC: Theory Of Constraint)

バリューチェーン全体をデザインし、新しい価値連鎖を産み出してゆくのがマーケター・事業家です。制約理論は技術系の人の専門分野のように思われがちですが、実は事務方にも必須の知識なのです。

事業・マーケティングという仕事に関係するメンバーはとても多く、とても幅広いです。そして、巻き込む部門や人材が広ければ物事はどんどん複雑になってゆきます。

一方、多様な人材が集まって活動するからこそ、衆知が結集され、大きなブレークスルーが生まれるのも事実。制約理論は、物事をどうやってシンプルで効率的にするかという根本を理解する為の学問です。

この分野の専門家はエリヤフ・ゴールドラッド博士。「ザ・ゴール」シリーズは読み物として面白いしお薦めです。「ザ・チョイス」に今では僕のお気に入りとなった「物事は本来とてもシンプルであり、世の中には対立など存在しない。」という概念が解説されています。

 

4.消費者調査

マーケターは好奇心旺盛でないと続きません。というか、僕の周りのマーケターはみんな「気になる」系の人。

調査を行う時に大切な事は「仮説を立てる事」と「調査結果から次のアクションを導き出す事」です。なんでもかんでも調べてたら時間がいくらあっても足りないし、今の時代はGoogle先生もいますから、知っている事は価値になりません。

全ては自分なりの仮説立て、それを如何に検証して成功確率を高めてゆくかの勝負になります。そうは言っても、どのタイミングで、どういうステップで調査を行い、仮説の確信度を上げて行くかのセオリーは学ぶ必要があります。

中央大学MBAの田中教授が書いた「課題解決!マーケティング・リサーチ入門」は、実務プロセスとアカデミズムがバランス良くミックスとされていて非常に参考になります。どのようなマーケティング課題に対して、どんな調査が必要か、どのタイミングで調査を実施して、その後どうなったか、が事例とセットで紹介されています。

 

5.思考力と対人力

時には経営直轄のプロジェクトに参画したり、多くの関係部門と折衝する必要のあるマーケターは、ファシリテーションスキルに長けている必要があります。

戦略性・論理性を駆使して道筋を考え、自らの行動で組織・人材をリードしてゆく事が求められます。頭がシャープで弁舌に長けるだけでも人は動かないし、気合いだけでも相手のやる気のスイッチは点灯しません。

船川淳志氏の「思考力と対人力」に、論理的思考と現場での行動の実践方法が分かりやすく解説してあります。

 

6. クリエイティビティ・直感力

僕はマーケターになってクリティカルシンキングという概念に触れてから、仕事を進める上での論理性・構造化力を徹底的に鍛えました。

その結果、左脳と右脳のバランスが取れた思考ができるようになりましたが、本来の自分はかなり右脳優位です。よく道に迷うし、電車の乗り間違えなんて日時茶飯事…。

最近は「自分は自分らしく、右脳的に生きていけばいい!」と割り切っていた所、ビジネススクールのプログラムで何度かお世話になっている内田和成教授が「右脳思考」を提唱するとの事!

元ボストンコンサルティング日本代表、東大工学部出身の左脳の鬼(と思われがちな方)がお薦めする右脳思考、なんだかとても勇気がでます 笑。

 

7.マネジメント

マーケティング部門におけるマネジメントは、ビジネスマネジメントと組織マネジメントの大きく2つに分けられると思います。

ユニクロの柳井社長も推奨するハロルド・ジェニーン著「プロフェッショナルマネージャー」にはその両方への心構えが語ってあります。深いです。担当マーケターからマネジリアルマーケターへのキャリアチェンジの瞬間に、特に参考になると思います。

 

8. 哲学

人にメッセージを発信する事が多いマーケター。自分自身を深める意味でも、自分の中に芯を持つ意味でも、哲学に触れる事をお薦めします。

僕が生涯で一番大切にしたい一冊は、内村鑑三先生の「後世への最大遺物」。この本のお陰で僕は人間的な生き方に気づく事が出来たし、障がいを持ってこの世に来てくれた長男との10年間を一緒に全うする事ができました。そして、今起業家として、あるがままに、自由を追求する生き方を選ぶきっかけになったのもこの本です。

この本以外にも、芳村思風先生、村上和雄先生、松下幸之助氏、稲盛和夫氏、アルフレッド・アドラー氏、ムハマド・ユヌス氏など、沢山の思想家の本を読みました。これらの刺激は自分流哲学の形成に繋がっていると感じます。

 

以上、あくまでも主観的ですが、日本式・グローバル・マーケターの僕が出来上がった過程で、蓄えてきた知識のリストになります。

キャリア形成において、自分が「育つ」為の養分をどうやって手に入れて、どういう経験を自分が選んで重ねてゆくか、それが何よりも大事だと思います。これからマーケター・事業家・起業を目指す人のヒントになれば幸いです。


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