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自社新規事業「葉山コーディアル」のテストマーケティング終了!

もうすぐ年末、、今年は本当にコロナ禍への対応に振り回されました。来年以降元どおりという事はないと思うので、変化を受入れつつ柔軟に行きたいと思います。

僕は元々「ものづくり」に興味があり製造業を志望しました。企業で20年働く中で、マーケター(商品企画・製品開発に携わり、需要創造を行う人)という天職に出会い、そのままマーケティングを軸に起業するに至っています。

一番興味関心のある分野が「食べること」なのは、大手食品メーカーを卒業した後も変わらず、他社様向けの事業コンサルティングは食品・菓子・飲料の分野に特化しています。興味がある、やってて楽しいということはいつでも、モチベーションの源になるものです。

起業後すぐにやりたかった事の一つに、農業を起点にした商品開発があります。世の中的には農業の6次産業化という言葉で語られたりするテーマです。起業から2年半、今回「葉山コーディアル」という形で、超ニッチ・超スモール規模での事業化が実現できました!

紆余曲折の末の方針変更、、想定外の工業化課題、、今思えば沢山ありました。でも、箱根駅伝に例えれば、往路の第一チェックポイントまでは無事に辿り着く事ができた感じ。上々のスタートにホッとしています。

この「葉山コーディアル Red(赤紫蘇)」。大元の着想は葉山にある「いさむファーム」さんの無農薬野菜に出会った事から始まります。パートナーがShanti House活動の中でつながった農園。私もその農園に初めて足を運んだ時に、大根やきゅうり、にんじんなどの野菜本来の野性味に本当に驚きました!

「この野菜は普通の野菜ではない。きっと価値になる」。そう思って、当時住んでいた家の軒下で週末ミニマーケットをやったりして、生鮮販売の真似事までやったくらいです 笑。そのくらい魅了された農業商品でした。

でも農業は本当に難しいのです。農家の方がどれだけ大事に育てても、気温や台風などに大きく影響されるるし、そもそもの土壌が弱ければ、作物が育たないことさえあります。大変な仕事です。

それでも農業をやっている人が共通で語るのは「私は土をいじるのが好きなんです」「元気に育った野菜を美味しく食べて欲しい」というインサイト。生産者には生産者ならではのあつい想いがあるんです。それは僕のようなマーケターとの感性や視点とは大きく異なるものです。

それから「いさむファーム」さんと仲良くなり、葉山のとある神社に出店されている野菜や手作りジャムを何度も購入させて頂くようになりました。その都度会話をさせて頂く中で、6次産業化を成立させる為には、最低でも生産者側と消費者側に2人の専門家が必要という結論に至りました。そしてタイから帰国して起業家としてスタートをきった後、改めての協業をお願いしに行きました。

6次産業のプロセスを要素分解してみると、

①原料となる野菜や果物の栽培・生産、

②加工する為に必要な原料の調達、

③商品コンセプト開発、

④プロダクトレシピ開発、

⑤パッケージデザイン開発、

⑥工業的生産(工業化)、

⑦販売、

と大まかに区分しても7工程が必要になります。かつ、この①−⑦のバリューチェーン全体を見渡せて、プロジェクト全体をマネージするマーケター(プロダクトマネージャー)の存在が不可欠。

僕の場合は自分自身がプロジェクトオーナー兼プロダクトマネージャー兼コンセプト開発者という感じで複数の立場を兼務する形になります。

 

今年度はテスト的に10キロ程度の赤紫蘇を使って仕込みを行い、数百本レベルの商品化を行いました。大々的に販売するほどの量はないので、複数のチャネルでのテスト販売(仮説検証)を実施する事にしました。

①外食店:いつも通っているレストランのオーナーシェフに商品コンセプトを説明し、ノンアルコール飲料のカテゴリーにお取扱い頂けました!

②小売店:「いさむファーム」さんも野菜を出しているBeach葉山さんの無人販売所で取り扱って頂けました!

③EC:自社スタッフがBASEを使ってECショップ「Rainbow Bazaar」を垂直立ち上げしてくれました!

④卸店:①の外食店のオーナーがワインや飲料を仕入れている卸問屋さんを紹介してくれる事になりました。が、実際には在庫が足らず、商談は来年のクロップに持ち越す事にしました。

商品化までにほぼ2年かかったプロジェクトでしたが、有難い事にお客様の反応も上々で、1ヶ月半で在庫は売り切れてしまいました!「友達にも紹介したいから」「なくなる前に在庫したい」等、こんな短期間でもリピート購買してくれる方までいて、SNSやECの持つ展開力の可能性の大きさを改めて感じた次第です。

 

マーケターの基本動作は仮説検証の継続です。点での仮説検証→線での(垂直に広げる)仮説検証→面での(垂直拡大×水平拡大)展開によって事業規模を拡大していく。中島式・事業創造フローは「葉山コーディアル」にも有効に機能しそうです。

社長をやりたいと思った根底にあった「自分がこうだと思う仮説を、誰に気を使うことなく自由に、世の中に問うてみたい」という気持ち。今まさに、お客様・自社のパートナーやスタッフ皆んなに支えてもらいながら、創造の楽しみをチームの皆で味わう事ができています。有難いことです!

この事業、今はまだ赤字構造ですが、もちろん事業上で採算が取れるように数年かけて磨いていくつもりです。ものづくりにこだわり、価値に共感頂けるお客様に販売を継続しつつ、少しづつ・可能な範囲での規模拡大を目指していく。小規模事業者の「ニッチ・スモールマス・ものづくり」の形が見えてきました。


自社新規事業「葉山コーディアル」のテストマーケティング終了!」に2件のコメントがあります

  • 中島さん、遅いコメント失礼します。
    タイから帰国されて退職、起業されたことは予想外でしたがこの製品開発の話を知り分かる気がします。「今日の大皿」で新しいお客様を獲得して海外駐在を経て次はどんな活躍をされるかなと思っていました。でも企業に縛られず純粋に世の中に価値を提供するマーケターでありたいという純粋なお気持ちが根っこにあったんでしょうね。社外転身の相談をたくさんの方からされ、その支援をしながら「キャリアはあくまでご本人のもの」と実感する毎日です。採用活動でお世話になって以来ですがまたお会いしてお話ししたいです。引き続き宜しくお願いします。

  • 宮川さん、何故かコメントに気付けず!年越ししてしまいすみません…。仰る通り、マーケターとして純粋で自由で在りたいという気持ちはあの頃から変わらないです。今度是非鎌倉にもお寄りくださいねー

宮川隆史 へ返信する コメントをキャンセル

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