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QCDを応用した商品・サービス開発

マーケティングの教科書を読むと、戦略立案後の具体的な打ち手として、4Pという概念が出てきます。即ち、Product(商品), Price(価格), Place(流通・売り場), Promotion(広告販促)の4要素の事です。

マーケッターとしての私も、当然この基本フレームワークを使用して商品開発やマーケティング計画策定を行なっています。ところが、この基本フレームワークを使っていても、意外に落とし穴になりがちなのがProduct(商品価値)とPrice(提供価格)のアンバランス。

提供価格が妥当で、お客様が商品価値を信じてくれた時、第一回目の購買が起こります。これをトライアル購買と言います。でも実はトライアル獲得にも辿り着かない事が、マーケティング業務上では良くあるんです。

そのブランド・商品を知っているけど買わない。トライアルが獲得できないという課題は、恐らく多くの企業の最大の悩みではないでしょうか。どれだけ広告をして認知を拡げたとしても、お客様が手にとって買ってもらえなかったら1円の売上も稼げず、ビジネスになりません。

買わない理由でよくあるのは「特に理由はない」というもの。これは担当者にとって一番キツイ…。何故売れないのか、お客様はどういう気持ちなのか、消費者調査等も駆使して大元まで遡って考えないといけません。世の中のお客様は忙しいので、潜在意識の中を徹底的に覗きにいかないとダメです。

次によくある理由は「お店で見つけられない」というもの。これは営業とマーケティング部門の仲違いにも繋がります 笑。営業部門はお店に納品もしてるし、ちゃんとお店にも並んでいるはずと思っている。なのにマーケティング部門は「ちゃんと並べてないんじゃないか?仕事してるのか?」と疑う。

例え目の前に置いてあったとしても、お客様は自分の欲しいものを、自分の感覚でしか探さない訳なので、知覚されていないという事はよくあります。手に取ってもらう為にはデザインやネーミング、キャッチコピー等、よほどの工夫が必要です。

そして、買わない理由で恐らく最も多くを占めるのは「価格が高すぎる」です。この場合の価格は絶対価格でなく相対価格なので、100円でも高いと思われてしまうモノもあれば、10,000円でも適正価格と思われるモノもあります。

製品に想いを込め、物作りを丁寧に価値を紡いでゆくのは大事な作業です。が、その結果として積み上がったコストは小売価格に転化せざるを得ません。

結果、「やってみたら意外に製造コストが高くついてしまい、小売価格を当初想定よりも50円上げざるを得なかった」、というような事態がマーケティングの現場ではいつも起こっています。

長い開発期間の中でどうしてもギャップが生まれやすい価値・価格バランス。それを意識続ける為のツールとして、製造業全般、特に生産や調達の現場でよく使われるQCD(Quality, Cost, Delivery )という概念がおすすめです。

QCDを前提に考えると、品質・価格・入手し易さ、この三つを横並びに評価・比較する事が容易です。例えば、どびきり美味しいパンを作ろう!と思ったら、アメリカ産とヨーロッパ産の小麦原料のどちらを選んでパンを製造するのが良いだろう?というケースがあったとします。そんな時、使用する原料のQCDと、その結果として提供できるパン全体のQCDを考える事は、コストパフォーマンスを考える上で役立つはずです。

私はこのQCDの考え方をProductの精緻化のフェーズに活用しています。マーケターは商品価値の最大化に拘るのが仕事ですが、受け手側からすれば実は価格がかなり優先順位の高い要素だからです。

パフォーマンス>価格となって初めて商品価値があるわけで、最後の最後まで価格設定に拘る事は、良いブランド名・商品名を考えたり、売れるパッケージを開発したり、思わず買ってみたくなる広告宣伝を開発する事と同等、実はそれ以上に事業の成功を司る大事な鍵なのです。

Back to basic、「自分達の商品のコストパフォーマンスはお客様の期待に合っているか?」、「直接競合品、間接シェアソース品と比較しても魅力的か?」開発ステージであっても、発売後であっても、この点を常に意識してゆく事がマーケティング活動の中で非常に大事です。


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